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習志野市内部通報報告書、違法と答申を受けた結果、開示されたもの

こんにちは、市民オンブズマン習志野事務局です。


朝日新聞が行っていた内部通報報告書の開示請求について、市の決定は違法と答申が出た後、ほぼ全文が開示されたということで、同文書を市民オンブズマン習志野でも開示請求していました。

習志野市監査結果ー令和6年2月19日 習志野市監査委員

習志野市令和5年度諮問第1号/令和6年度答申第1号ー2024年9月27日 習志野市行政不服審査会


今日は、答申前は何が非公開とされ、答申後は何が公開とされたのか、という視点で比べてみた結果をご報告します。

※答申前の公開文書は指示なくても部下も不正 黒塗りの報告書から見えた習志野市の問題2024年1月17日 朝日新聞デジタルで見ることができます。



内部通報報告書は、全6ページで、

  1. 事案の概要

  2. 調査について (1)調査手法 (2)調査機関 (3)調査対象者 (4)書類調査

  3. 聞き取り結果に基づく事案の内容 (1)業者Aについての事案 (2)業者Bについての事案 (3)業者Cについての事案 (4)組織的な関与

  4. 業者への聞き取り

  5. 業者との清算

  6. まとめ

で構成されています。


答申前と答申後の開示状況について、以下にまとめました。


違法と答申の前

違法と答申後

1.事案の概要

丸ごと非公開

全部公開

2.調査について



 (1)調査手法

丸ごと非公開

全部公開

 (2)調査期間

全部公開

全部公開

 (3)調査対象者

丸ごと非公開

全部公開

 (4)書類調査

丸ごと非公開

全部公開

3.聞き取り結果に基づく事案の内容



 (1)業者Aについての事案

丸ごと非公開

部分公開

 (2)業者Bについての事案

丸ごと非公開

部分公開

 (3)業者Cについての事案

丸ごと非公開

部分公開

 (4)組織的な関与

部分公開

部分公開

4.業者への聞き取り

丸ごと非公開

部分公開

5.業者との清算

部分公開

部分公開

6.まとめ

部分公開

部分公開



内部通報報告書としての中身の薄さは別の問題としても、大項目ごとに、ほぼ丸ごと非公開としていたものが、さすがに丸ごと非公開はなくなり、部分的にマスキングした状態で公開されていることが確認できます(内容については、監査結果報告と変わりません)。

左側が答申前に、市の非公開決定は違法とされた文書、右側が答申後に出された文書
左側が答申前に、市の非公開決定は違法とされた文書、右側が答申後に出された文書

いかに、習志野市が、不必要に広範に非公開として、情報を制限しているかが分かります。



(実施機関の公開義務) 第7条 実施機関は、公開請求があつた場合は、当該公開請求に係る公文書に次条に規定する公開しないことができる情報(以下「非公開情報」という。)が記録されているときを除き、公開請求者に対し、当該公文書を公開しなければならない 2 実施機関は、公開請求に係る公文書の一部に非公開情報が記録されている場合において、非公開情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、公開請求者に対し、当該部分を除いた部分につき公開しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。

※赤字・アンダーラインは市民オンブズマン習志野

と定め、市には公文書公開の義務があり、非公開情報がある場合は、その部分を除いて公開しなければならないとしています。


◤ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

市には公文書公開の義務があります。

市は、公開することができるんじゃなくて、公開しなければならないんです。

公開しないことができるのは、条例第8条各号に定める情報に該当する場合だけで、当該部分を容易に区分することができる場合は、それ以外についてはやはり、公開の義務を負います。

__________◢


過去に情報公開請求に係る審査請求がなされたものを、行政不服審査裁決・答申検索データベースで確認すると、習志野市は第7条第2項違反で違法とされているケースが複数あることが分かります。


このことから、幾度となく審査会で違法であると指摘されているにもかかわらず、習志野市は同様の違法な決定(処分)を繰り返していると指摘できます。

とても残念なことですが、“ 敢 え て ” やっているのだろうと思います。



朝日新聞が情報公開請求した内部通報報告書の大項目でまるごと非公開とするやり方も違法と指摘されましたが、オンブズマン共同代表の開示請求に企業局が行った文書丸ごと非公開(一切公開しない)も、当然に違法と認識があったと言えるでしょう。


さて、答申の前・後で開示された文書を確認していく中で、驚いたことがあります。


下の画像は、最後のまとめの部分なのですが、答申前と後と比べると、何が黒塗りされていたのかが分かりますが、


赤丸で示したように、黒塗りされていたのは

˗ˏˋ 工 事 ˎˊ˗ でした


「工事」ですよ??


え?工事・・・?



習志野市は、内部通報報告書内に「工事」と記載されている部分について、思惑はどうあれ、保護されるべき非公開情報に当たるおそれがあると判断したということです。


また、これ以外にも、「胴長、レーキ購入」「大量の物品を早急に調達」も非公開としていました。

逆に、公開されていた職名は非公開に変わっています。


もう、ここまでくると、公文書を公開する責務、市の諸活動を説明する責務が全うされるようにする目的、市民による市政の監視及び参加の充実に資することなんぞはどうでもよくて、別の論理が優越して働いていると受け取らざるを得ないように思います。



条例は、自治体が定める法規です。

再三に渡り審査会から指摘されてもなお、市の条例違反を、条例を定めた自治体が繰り返しているということは、このような違法な処分が常態化している可能性は否めず、市民に不利益を生じさせているおそれがあるものです。

そして、今後も繰り返される懸念があります。


もはや担当部署の独断とは言えず、習志野市のそもそもの説明や、職務執行そのものにも懐疑的な目が向けられるのは当然のことと言えるでしょう。


どうなっているのでしょうか。


この公文書公開の所管課は、総務部法務課です。

  • 条例等の制定・改廃

  • 法令等の解釈・研究

  • 争訟に関すること


ついでに、習志野市の内部通報の窓口でもあります・・・。





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