習志野市審議会の情報公開の実態
- narashinoombuds
- 2024年12月12日
- 読了時間: 6分
習志野市企業局のホームページのメニューに、情報公開というの項目があります。

この中に、公営企業運営協議会の会議録や会議資料が公開されているページがあるのですが、令和3年だけがすっぽり抜けています。

過去の会議の日程をみると、協議会は年に3回開催されるのが通例のようで、だいたい毎年、第1回目が5月下旬、第2回目が8月末、第3回目は1月末か2月始めに開催されています。
令和2年、3年は、緊急事態宣言が出されていた時期がありましたので、他の審議会等の動きを見てみると、開催実績がわかるものだけでも、令和2年度は、21の審議会が、延べ36回(うち、緊急事態宣言中は13回)開催で、例年平均の約5割、令和3年度は、29の審議会が延べ56回(うち、緊急事態宣言中は22回)開催されており、例年平均の約9割弱の審議会が、少なくとも1回は開催していたことが分かりました。
※平成29年〜令和5年度を対象
※令和2年度と3年度を除くと、平均33の審議会が開催されており、年間延べ回数は平均69回

また、当時、企業局運営協議会委員の方で、他の審議会等の委員も兼任されている方も何名かおられるようでしたが、他の審議会には出席なさっていることも確認できます。
しかし、企業局運営協議会が、令和3年度がまるっと掲載されていないということは、令和3年度は1回も行われなかったということなのか、議事録や資料等が未掲載なのか、判別しようがありません。
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ところで、習志野市は、習志野市審議会等の設置及び運営等に関する指針というものを作成しています。
それによると、
審議会等の委員名簿は、所管課にて作成し、当該審議会ホームページに掲載する
審議会等の会議を開催するに当たっては、会議開催予定日の1週間以上前に、会議開催について公表する
審議会等の会議開催の公表事項は、会議名、開催日時、開催場所、議題、公開・非公開の別、その他必要な事項及び問い合わせ先とする
審議会等の会議経過及び結果の正確性を確保するため、事務の所管課は、必ず、会議録を作成するものとする
会議を公開した審議会等は会議録及び会議資料を原則として公開し、市ホームページへの掲載及び情報公開コーナーにて閲覧に供するものとする
としています。
しかし一方で、市のHPにある「審議会等の一覧(会議結果等)」というページには、
各審議会等の名称をクリックすると、会議結果などの情報がご覧になれます。
と案内しながら、
リンク切れが2つ
リンクされていても議事録がないものが4
リンクされていても議事録が別頁に掲載されていて、直接辿り着けないものが10
そもそもリンク先がなく、審議会の内容や活動しているかどうかすら分からないものは14
もありました。
一覧に記載のある審議会等は65ありますが、30%は活動しているかどうかも分からず、ず、15%は議事録等を確認しづらい状態です。

また、リンク先がないものについて、同ページでは、
※リンクされていない審議会等は、非公開もしくは現在作成中のものです。
と、注意書きが付されていますが、一定の条件のもと、審議会の会議そのものやそれに伴う資料・議事録等が非公開となるのは理解できるものの、会議が非公開のものでも、審議会の設置目的、開催予定や実績、委員情報などまで、一切の情報が非公開になるものではありません。
しかし上記表示や、実際に習志野市のHPの公表状況の実態をみると、非公開の審議会=(一覧に入れておけば他は)何も公表しなくて良いという扱いをしているように受け取れます。
(現在作成中のものについては、いつまで現在作成中なのかという話と、結局情報が足りなすぎるので、今回の検証の対象外とします。)

習志野市の指針では、「審議会等の委員名簿は、ホームページで公表する」としていますが、名簿が名簿として公開されていない審議会等は23もあり、全体の35%を占めています。
※指針では「名簿を公表」としているので、議事録上に出席者として記載されているものは名簿として計数していません。
※活動実態のない審議会であっても、記載がなければ分かりませんので、一覧にあり、名簿が公表されていなければ計数対象。

また、審議会の公開・非公開の別を問わず、審議会の内容や目的、開催実績等など、どういった活動を行なっているか市民に知らせることは、「審議会等の運営の透明性及び公正性を確保するとともに、市政に対する市民の理解と信頼を深め、もって開かれた市政の推進に寄与する」という指針の目的にも適うものです。
さらに、議事録がところどころ欠けている審議会も多く、そのほとんどは議事録が見当たらないというだけで、任期などの表示や常設なのか臨時なのかの表記もほぼ無く、開催がなかったのか、中止になったのか、あるいは審議会自体が停止中なのか、議事録や資料が未掲載なのか、判別つかないものが大半を占めます。
中には、必要性の低下などで実質休眠状態の審議会等があることも考えられますが、例えば、2023年1月16日付で、木村たかし市議がご自身のブログで民生委員推薦会委員の委嘱を受けたという記事をあげています。
しかし、習志野市のHPの当該委員会にはリンクもなく、当然、何の情報も得られませんので、当該委員は実際に活動している審議会のようではありますが、市民には、その審議会が活動しているのかどうかは全く分からないのです。
つまり、習志野市の審議会等は、活動実態があるかどうかすらよく分からない審議会等も多く、情報公開も不十分であり、指針に定めた事項も履行されていないのが実態であると言えるでしょう。
習志野市は、今一度、自ら作成した指針を読み直してみてはいかがでしょうか。
懲戒処分の指針についてもそうですが(詳しくは過去記事「骨抜きにされた習志野市懲戒処分の指針)、自ら作成した指針すら守らず、都合よく運用されてばかりでは、行政全体の信用を損ないます。
また、市は、審議会等の委員の選定や審議内容について、大きな影響力を行使しうる立場にあり、その市が設置した審議会等は往々にして、市の方針を追認するような御用聞き機関になりがちなことや、その結果が市民に与える影響も少なくないことから、より公正性・透明性を確保するために、適切な情報公開が大切であることは言うまでもないことです。
習志野市の審議会等については、もう少し気になるところがありますが、長くなり過ぎてしまいそうなので、今回はここまでとしたいと思います。
ちなみに、習志野市企業局運営協議会の議事録を見る限り、習志野市下水道課不正契約事件について、委員への説明等がなされた記録は見つけられませんでした。
説明、していないんでしょうか?